いつものクラウド防湿庫からSIGMAのDP2 Merrillを送ってもらいました。
買ったのはfp Lが軒下からリークされたあと。FFF(Full Frame Foveon)がしばらくないだろうなと判断し、Merrillが欲しかったから買った。欲しかったからね。
そしたらSIGMAの山木社長から開発が白紙に戻ったと発表があり、Mapから在庫がなくなり、珍しく買い時を掴めた。
「センサー開発プロジェクトの状況について」 (株)シグマ CEO 山木和人
話を戻して、DP2 Merrill。長いからDP2M。このカメラの特徴はなんといってもセンサー。ベイヤー配列ではなく赤青緑のセンサーを垂直に並べたもの。
エンジンで例えるならベイヤー配列はレシプロ、Foveonはロータリーといったところかな。X-Transはベイヤーの派生だから水平対向?
DP2Mはセンサーもいいが35mm換算45mm/F2.8のレンズも素晴らしい。F値控えめな代わりに開放からキレキレの写り。絞りもF4まで絞れば十分に写る。シャッターがレンズシャッターのため、シャッタースピードがF値で変動するから明るいところで撮るとき以外は絞らなくていいレベル。
センサーサイズはAPS-Cですが、ボケ量も画質もfpに引けを取らないレベル。むしろ条件さえ整えばfpを圧倒するレベル。これ一応9年前のカメラですよ??
とはいえ、いいところばかりではなくムカつくところもあります。一番の欠点は全てにおいて遅い。起動も遅い。AFも遅い。書き込みはもっと遅くて1枚撮ってからSDカードへ書き込みが終わるまで10秒もかかる。
現像ソフトのSIGMA Photo Proも遅いしソフトそのものが重たい。画像の拡大で8秒近く待たせるソフトは初めて触った。でもこれじゃないとDP2MのRAWは本領発揮しない…。
そんな欠点も写りの良さとコンパクトさを合わせればお釣りが来るレベルで素晴らしい。なによりレスポンスの遅さは自分の撮影テンポにあってる気がして、かえってメリットなんじゃないかと思い始めた次第。しかしfpを使うとやはり遅さは感じる。
ISO感度が100固定じゃないと使い物にならないのは意外と気になりません。撮影モードはA、絞り開放で暗いときは露出補正でSS調整して、それでもだめなら三脚使ったりどっか固定したりして工夫します。今のバリバリIBIS効くカメラ使ってる人にこれ触らせたらブレブレ写真連発で発狂しそうですね。
まとめ
Foveonの写りに惹かれたなら即購入をおすすめします。ただ売っていればの話。
FFFが白紙に戻り、1:1:1のX3センサー搭載機種のタマが減っていることもあり、今後入手は難しくなるでしょう。買い時は今です。そしてFoveonの写りに魅了されたならあなたもその日からシグマーの一員です。